あるスクールで3, 4年ほど火消し(クレームをたくさん出して、多くのインストラクター交代をしてきた生徒さんに対し、満足の行くレッスンをして満足度を回復させる)の役回りをしている自分から、どうやれば払った金額に見合う結果を出せるのか、というお話を送りたいと思います。
金額に見合う結果を得る方法とは
例えば、オリジナルカリキュラムをうたっているスクールの24週間コースなどは70万円を超えていますよね。
初心者から入学してこの価格に見合う結果を出せる人は、1%もいないでしょう。
これには、下記の理由があります。
- 何を質問していいかわからないので上手くインストラクターを使えない。インストラクターが質問を掘り下げているうちにレッスン時間が消費されていく。
- 効率よく質問が出来て、Googleを上手く使って自由に動けるようになったと思ったら卒業間近になっている。
まっとうなインストラクターにあたりさえして、十分な勉強時間を継続的かつ平均的にさえ取れれば自走可能程度の力は身につきます。
しかしながら、ここに70万の価値はございません。
一体何にお金を払っているのか考えること
ほしいのは、勉強のカリキュラムを考えてくれる人でしょうか?それならMentaでそういう人を探しましょう。
ほしいのは、問題にぶち当たったときに解決に導いてくれる人でしょうか? それならQ&Aサイトや、エンジニアの学習コミュニティ(TechCommit)などを頼ってみればいいでしょう。
マンツーマンのオンラインスクールの価値とは、どんなところにあるのか、きちんと自分なりに結論を出せるでしょうか。
マンツーマンの強みはどうやったら活かせるか
ひとえにマンツーマンレッスンの強みとは、インストラクターとの長期契約です。3ヶ月、6ヶ月などの長期に渡って、インストラクターが生徒の特色を理解しつつ面倒を見てくれ、24時間質問できる環境をつくってくれるわけですから。
ならば、この強みを活かす方法は一つしかありません。
インストラクターを使い倒すのです。暇を与えてはいけません。
- いかに質のよい質問をインストラクターに投げるか
- いかに初心者レベルの講義をさらっと終わらせるか
- いかに実践的なスキルをインストラクターから盗めるか
このためには、生徒は
- 完全な初心者で臨んではいけません。
Progateならすぐに着手できます。ざっとクリアしましょう。Udemyに初心者向けのビデオもあるでしょう。セールを狙って買いましょう。
これによって、簡単な質問をインストラクターに投げて、それを待っている時間の無駄をなくしましょう。彼らは難しい問題や、自分では答えの出せない選択肢の道筋を決めるためにいるのです。 - ゴールを明確化して望みましょう。
モヤッとしたゴールから得られるのはモヤッとしたスキル体系です。バックエンドに力を入れたいのか、フロントに力を入れたいのか、ひとまず総合的に触れておきたいのか、作りたいプロダクトを作りたいのか、最初からはっきりさせましょう。 - 継続的に勉強する癖、時間の確保に目処をつけて望みましょう。
せっかく大枚をはたいても本業で忙殺されては一巻の終わりです。また、継続的努力を諦めてもダメです。
インストラクターがレッスンとして生徒に使う時間は所詮60~90分の*24回程度です。36時間程度に過ぎません。
ぜひ、脱初心者してからドアを叩くのをおすすめします。例えばRailsのカリキュラムを受けるなら、RailsでTwitterクローンみたいなありがちなチュートリアルはやってから臨んでしまいましょう。そんな基礎に数十万も払う必要はありません。
それでもプログラミングスクールを選ぶ理由が残るか
前章で述べたこと、すなわちインストラクターを使い倒す、という思想そのものはMentaを使っても叶えられるでしょう。
そこに対してスクールの強みは一点だけです。苦情とインストラクター交代(ガチャ)を何度だって使えることです。
あなたの望みが正当なもので、それを叶えられないインストラクターなら運営に言って交代させましょう。よほどひどいなら期間そのものをなかったことにするよう交渉もできるでしょう。
(僕の生徒さんはそうやって流れ着く方が多くいます)
セカンドオピニオンのすすめ
とはいえ、初心者の方からしたらまっとうなインストラクターかどうかなんて判断が難しいのではないかと思います。
そんなときは、MentaやTwitterを使って、学習プランのセカンドオピニオンを立ててください。
内容や質問応対があんまりだったらクレーマーになって交代させましょう。
[付録]インストラクターって何者なのか
多くのインストラクターはバイトです。私もバイトです。
質はピンきりです。私の観測範囲では、
どこぞのプログラミングスクールを卒業したばっかで講師になったクソ野郎から、GoogleでGCPのバックエンドを作ってるつよつよエンジニアまで観測しました。
もちろん前者パターンのほうが多いです。
運営のフィルタが全く働いておらず(まあ技術面接出来る人間がいることが稀だし)、これがスクールの闇に直結してる感があります。
マンツーマンである以上、レッスンの品質はインストラクターが100%の責任を持っています。これが強みなはずですが、そこに監視機能がまっとうに働いておらず、生徒からのクレームに頼っているところがスクールのか抱えている問題点と言えるでしょう。
なんで案件をとらずにこんなところでバイトしてるのか
(エンジニアにとっては)費用対効果がいいからです。
1h2000円などの広告は見るかも知れませんが、実際には生徒一人あたりにいろんな準備時間がかかるわけです。
が、それは実はイニシャルコストで、似たような生徒を数人あつかった経験があれば過去の遺産でカリキュラムが組めます。
しかし、金額はそのまま運営に請求可能なので実質時給が万前後ということもあるでしょう。しかも、納期に頭を悩ます必要もありません。
本業がある程度忙しいエンジニアにとってはちょうどよい副業なのです。